Nurse Pulse 看護部ブログ「ナースパルス」

コロナ禍における新たな研修方法の模索~2年目担当教育委員より~

「教育って何だ?」
昨年、教育委員になってふと考えたことです。

昨年は思いもよらないコロナ禍で生活が一変し、様々な場面で大変な思いをしたと思います。
研修を担当する教育委員の立場から、昨年度の状況をお伝えします。コロナ手記①

2020年4月当初、予定していた研修を変更・中止しなければならない事態になりました。
研修の方法を変更、時間短縮をしても、研修の質が落ちること、伝えたいことが伝えられない事は避けたいと考え、
以下の2点をポイントとして研修を実施しました。

1点目は「リフレクション(振り返り)」です。研修内でリフレクションを用いたことで、それぞれの研修生が
忙しい業務の中で感じていることや自分の学習状況を振り返る機会になりました。

2点目は「思考発話」です。これは、指導者が自分の看護実践の過程を言葉にして相手(研修生)に伝える
いった方法です。これは、先輩看護師が実践する看護の背景に何があるのかを知ることができ、
研修生も自分の実践した看護の背景を言葉にして「なぜうまくいったか、いかなかったか」を
指導者に伝えることができます。
この2点を研修に取り入れて、研修に興味をもって参加し、新たな発見が出来るように取り組み続けました。
そして、2021年3月、すべての研修が無事終了しました。

コロナ手記②
そこで冒頭に書いた「教育って何だ?」が浮かんできたのです。
それぞれの研修生が興味を持つきっかけや、おもしろい、もっと頑張ってみようと思ってもらえる
環境を作って、その気持ちを育てていくことなのだと気がつきました。コロナ手記③

昨年練りに練った教育計画は、今年度も更にパワーアップして継続中です。
キーワードは、「小グループ」「OJT」「反復」「ナーシングスキル」の4点です。
3密を回避するための小グループ制は感染リスクを低下させる事だけではなく、
 人数が少ないことにより、講師に質問しやすかったり、発言をする機会も多くなったり、
 11人の学びが深くなる良さを感じました。
OJTでは、現場で具体的な看護を学べ、先輩看護師のノウハウを直接聞ける機会となります。
ナーシングスキルを用いたことにより、場所を選ばずに実施できること、研修で終了ではなく、
 >繰り返して学べることができるようになりました。


コロナ禍となり、今までの研修方法や教育を見直すきっけかけになりました。

学ぶことは必ずしも本を開いたり、研修で疑似体験する事だけではなく、スタッフが感じたり、
体験したことを振り返って(リフレクション)どう思ったか相手に伝える(思考発話)ことも
学びの一つではなかったでしょうか。


学生のみなさんへ。

現場に行く機会は少なかったけれど、自分の置かれている環境の中で学ぼうとした意欲や姿勢が

今後現場に出た時の糧となり、強みになっていくのだと思います。

「ちゃんとできるか」の不安を消すのは難しいですが、「この時代を乗り越えたから今後もがんばれるぞ」と

自信を持って、ワクワクした気持ちも忘れずに現場に飛び込んでほしいと思います。

学生のみなさんや新人さんの頑張りを見ていると、患者さんはもちろん、
現場の看護師も勇気づけられる場面が多いのです(^_-)-

もう少し辛抱の期間が続きそうですが、学びのきっかけを少しでも見つけて、
何年後かの自分の成長に少しでもつなげられるようにしたいですね。
私もその姿勢を忘れずに、頑張っていきたいと思います。