
看護部ブログ「ナースパルス」
私は、脳神経外科病棟の看護師です。院内活動として行われている感染リンクナース委員会の
メンバーとして病棟で活動しています。
普段から感染予防について病棟スタッフへ伝達や病棟への定着に携わり、感染予防に対する訓練を
行っていましたので、新型コロナウイルス感染症が増えつつある2月頃から他病棟への応援が必要な
際には携わることが予定されていました。いつでも応援に行く心づもりはあると思っていましたが、
反面心のどこかではそんな事態までは起きないだろうと思っていました。未知のウィルスに対する
恐れからも大変不安になりました。
4月中旬、院内でクラスターが発生し、病棟スタッフが全員自宅待機に入ることになりました。
その病棟の入院患者対応を行うため、各病棟から1人ずつ招集されたスタッフ14人で、
「SRT(Special Rescue Team)」が結成され、私もそのメンバーになりました。
そして、病棟業務の全てを半日で引継ぎ、その日初めて会ったスタッフと夜勤をしました。
最初は、脳神経外科疾患の患者とは違う科の患者を看護することや、物の場所が分からず
探す時間を取られること、ゾーニングという方法で感染を防ぐため情報用紙やPHS等を
患者の近くまで持ち込めないことに大変ストレスを感じました。
しかし看護はどこに行っても同じだと気持ちを奮い立たせて勤務に当たりました。
立ち上げ当初は毎日が手探り状態でした。目標は感染を広げず患者を安全に元のスタッフへ
引き継ぐことでした。看護師は全員異なる病棟から招集されていますので、看護の進め方などが
それぞれ異なり、安全のためにはより密なコミュニケーションが大切だと実感しました。
また一旦感染ゾーンに入ると2,3時間は防護用具を着続けなければならず、
白衣はいつも汗で濡れてしまうため、体調管理には注意が必要でした。
1週間ほど経つとメンバーや仕事に慣れ、ホッとしたことを憶えています。それもつかの間で、
またクラスターが発生し、さらに患者の受け入れが必要になりました。いつまで続くのだろうかと、
先が見えなくなるような感じがしましたが、患者にとって最善の策であるという使命感で
受け入れに全力を尽くしました。
約3週間は大変長い期間に感じました。乗り越えるために私の場合は、親しい人に思いを
表出することで気持ちのバランスを取りました。
自宅待機のスタッフが復帰し、病棟を引き継いだ時は、達成感があり、
自然と安堵の笑顔になりました。心身ともに疲労感は大きかったですが何かを守ることが出来たので、
達成感も大きかったです。今回の経験で感じたことは以下の3つです。
1.一人では微力だが目標に向かって皆で力を合わせると絶大な力となる
2.任務を達成できたのは一緒に働いたメンバーやスタッフ、指揮した科長、関連の看護師長、
サポートしてくれた友人のおかげ
3.有事の際はルーチン業務にこだわらず、状況変化を考えて臨機応変に動くことが大切
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